あの空の下で
□episode9
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「すみません、僕こういう人間なので。」
「う、ううん!こっちこそ・・・ごめん。」
「みょうじさんですよね?1軍マネージャーの。」
「・・・うん。」
そりゃ、あれだけ噂になれば誰だって私のことわかるよね。
彼は先程まで使っていたであろうボールを、元の場所に戻しに行きながら話した。
あれ、さっきまで練習してたのかな。
全然気づかなかった・・・。
「あれ・・・あなたもしかしてバスケ部?」
「そうです、3軍ですけど。」
ボールを戻し終えた彼は、私の横に座る。
彼はなんだか、不思議な感じがした。
「僕は知っています、みょうじさんが悪い人ではないと。」
「・・・っ!」
「何に対しても一生懸命です。そんな人が悪いはずないじゃないですか。」
彼が真っ直ぐ私をみて言った。
目を見てわかる。
周りの人が私を見るとは違う目。
紫原くんやさつきが、私に向けるあの優しい眼差しに似ていた。