あの空の下で
□episode13
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「・・・なーんてね。」
「あ・・・黄瀬くん!!」
「久しぶりっス、なまえっち!!」
「・・・なまえっち?」
「あー、俺気に入った人には〜っちってつけるんスよ!」
つまり、気に入られたってことかな。
「それより黄瀬くん、なんでここに?」
「祭り楽しみにきたらファンの子に見つかっちゃって・・・ここならあんまりバレそうにないから。」
そっか、モデルやってるんだっけ。
大変だなぁ。
「なまえっちこそ、なんでこんなとこいるんスか?」
「さつきたちとはぐれちゃって・・・。バスケ部仲間なんだ。」
「へー・・・あの背高い人と一緒じゃないんスか?祭りで見かけたけど。」
「うん、紫原くんとは一緒じゃないよ。」
「俺、なまえっちとそいつ付き合ってんだと思ってた。」
「え!?」
黄瀬くんはニコニコ笑って私に言う。
「だって、普段仲良さそうにしてるの知ってるし。でも最近は見ないなー。」
「・・・・・・。」
「え、え!?俺なんか言ったっスか!?」
「・・・ううん、ごめんね黄瀬くん。」
紫原くんという言葉を聞くたび、後ろ向きな気持ちになる。
それを気づいてなのか、黄瀬くんは言った。