あの空の下で
□episode14
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部活、サボっちった・・・。
ま、いっか。
あと1時間くらいしかなかったし。
オレはベンチに横になり、青空を見上げる。
風で木の葉が揺れる音が心地いい。
『あ、紫原くん!おはよう!!』
『ありがと、紫原くん・・・。』
『約束して?紫原くん・・・。』
『紫・・・原くん・・・。』
『あ、紫原くん!』
『紫原くん・・・?』
『バイバイ、紫原くん。』
ここに来ると、自然となまえを思い出す。
たくさんオレのこと呼んでくれたな・・・。
『ううん・・・ごめん。なんでもない・・・。』
『・・・心配した。』
『やっぱ・・・辛かったよ?』
『ック・・・ヒック・・・。』
強がってたけど、やっぱり泣き虫ななまえ。
『・・・っ、うん!!』
『ほんと!?よろしくね!!』
『そっかー楽しくなるね!!』
笑顔が素敵な子で、そんななまえを好きになった。
『あんま目立ちたくないからね。』
『ん?あ、今日のこと?まぁ・・・ずっと気にしてたらどうしようもないからね!』
『でも私は・・・これからも紫原くんと一緒に行きたかったな・・・。』
自分の本当の気持ちを隠すために、困ったように笑うんだ。