あの空の下で
□episode16
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「協力するって言った、でも・・・赤ちんとなまえが話してるの見るとモヤモヤして・・・。」
「・・・・・・。」
「オレがなまえと話さないようにしたり、屋上で一緒に弁当食べなくしても・・・なんかずっと後悔してた。」
「・・・・・・。」
「『なんで協力するって言ったんだろう』とか、もっとなまえと話したいって気持ちもでてきて・・・。」
気が付けば赤ちんの足元ばかり見て話すオレ。
顔を見て話せない。
怖いから?
ずっとオレは赤ちんの言うことばかり聞いてたから?
オレから意見するのが初めてだから?
だから、今赤ちんがどんな顔してるのかもわからない。
「だから・・・」
「それで。」
赤ちんの言葉が俺を遮った。
急なことで驚き、反射的に赤ちんの顔を見た。
「お前は俺の気持ちを弄んだのか。」
「・・・っ(ゾクっ!)」
視線を外せない。
体も硬直して、全身から嫌な汗が出る。
「俺の気持ちを知っておいて、協力すると言っておいて、やっぱり自分も好き・・・都合がいいな紫原。」
「・・・っ。」
なにも言えない。
だって、その通りだから。
都合がいいのは、自分でもよくわかってるし。