星空が輝く時
□大好きだよ
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「パパぁ・・・?」
「・・・っ!あ・・・。」
振り返るとまだ眠い目をこすりながらも起きてきた愛娘。
いけない。
また名無しさんのことばかり考えて、周りが見えていなかった。
「おはようむすめ。顔洗って着替えておいで。今日はオムレツだよ。」
「うん。パパの作るオムレツ好き。」
「・・・ん、ありがとな。」
洗面所へと向かうむすめを見ながら思った。
気を使わせているのではないか、と。
「はぁ・・・。」
フライパンに卵を入れながら、また考える。
名無しさんの作る料理の方が、間違いなく美味い。
・・・いや、料理以外にも。
むすめの中での一番は、俺じゃなく名無しさんだ。
名無しさんを越えることは不可能。
この時期の子供には、母親の存在が不可欠だろう。
でも、寂しいとか会いたいとか・・・
むすめは言ってこないんだ。
我慢しているっていうのは明白。
きっと、俺の事気づかっての事だと思う。
情けないな。
あいつの父親なのに。