ナルいの短編小説
□縁日
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「お待たせ、ナルト」
「……お、おう」
「じゃあ行きましょう」
四季が夏に変化して暑さが増す中で木の葉は毎年恒例の縁日を開催した。
それにより縁日デートをする為にカップルのナルト・いのは待ち合わせしていた。
「なんかその浴衣、ナルトらしいね」
「そうか?」
「うん、らしくてとても良いと思う」
「ありがとう、いの」
「で私はどう」
「うん、綺麗だ。誰よりも」
私の顔は朱色に染まり照れてしまった
一見キザの様に聞こえるが彼がキザを言わないのは私が知っている
だって、ナルトは私に対しては嘘は言わない、全て本音で言ってくれるから……だから今の言葉は凄く素敵で、凄く好きで、凄く照れてしまって、そして愛してしまう……
「ナルト、行こう」
「ああ」
だから私はナルトの手を繋いで歩く
私に取っても彼に取っても大好きな行為だから
今まで、縁日は家族か友達か一人でしか来た事が無い為に少し緊張する
けどナルトは縁日自体初めて行くらしかった
だから「私がエスコートする」と告げたら、「うん……」って照れ臭そうにナルトは言ってくれたので、私は張り切っていた
ナルトには初縁日で最高の思い出を作って欲しい……いや私が作るから、一生忘れない思い出を作ってあげるから期待してね、ナルト
それから私達は色んな店を廻った
行く先々にナルトは物珍しそうに見ては笑い「凄い」と私に言う
私も初めて来た時も同じ事を両親に言っていたから
気持ちに理解できる
だから私は「そうだね」と同じく笑って歩いた
「美味しい…」
「ふふっ良いでしょ、この味」
「あっ」
「もう一回やったら」
「これは?」
「それはね」
「はい、いの」
「うん、ありがとう」
今日は良い日
私とナルトの最高の思い出の日
今までのデートで最高の日だと胸を張って言える最高の日
「風船?」
そんな時に行列に成ってる風船屋の前に来ていた
「ああ、今年も来たんだ」と呟いた
「此処の風船は特殊なのよ」
「特殊?」
「ええ、此処は私達の気持ちで飛ばすの」
「気持ち…」
「嫌な事、悲しい事、怒る事とかそう言った感情が風船の中に吸収して、膨らんで、空に浮かせる……それがこの店なのに」
それが売りの店
何度か利用した事も有って意外と重宝する良い店だった
私的にも此処はお薦めだから今年も利用しようと思ったが「行こう」