只今傍観ちゅう
□プロローグ
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ふわりと浮かぶボール。
それは私の頭に直撃した。
「いっ……!?」
あまりの痛みに涙があふれた。
私の頭にバウンドして目の前で転がるボールを見た。白と黒、それはサッカーボールだった。
誰だよ全く。
私は痛む頭をさすりながらボールを睨んでいると、遠くの方から聞こえてきた“聞いたことがある声に振り返った。”
「……なんで」
痛みなんて忘れてしまうほどの衝撃が心の中に走った。
私の目に写ったのは、オレンジ色のバンダナをしてる少年。彼はバンダナからちょこんと出ている髪を揺らしながらこちらに向かい走っていた。
「すみませーん!!」
その声に私はびっくりして思わずボールを蹴飛ばし、全速力で走り出した。
「うわああああああ!?」
変な悲鳴をあげながら。
…誰か私にここはどこか教えて下さい。