只今傍観ちゅう

□そう、これが始まり
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目を開けると見知らぬ天井があった。

ここは……?

どうやら私はベッドに寝かされているみたいだった。
私はそのままゆっくり体を起こす。

広いワンルームに大きいベッドが一つ。後は何も無い。辛うじて折り畳み式の小さい机があった。

何だろう。さっきまで可笑しな夢を見ていた気はするのだが、これはまだそれの延長なんだろうか?


「ははっ………あはは…」


あー、やっぱり…


「夢じゃないのか……」


少し溜め息。
まぁ、確かにトリップしてみたいとか思っていましたけど?なんかかなり責任重大な気はするし、信じてみようとは思ったもののやっぱり嘘くさいし…。

やっぱりドッキリでした!!って言われた方がまだ信じられるんだけど……

こんな突然過ぎるとかえって引いてしまう。てか、机可愛いな。

よく見るとベッドにお揃いのクッションも置いてあった。あーこれ、セットか。


私はベッドから出るとベランダに出た。

どうやらここはマンションの一室のようだ。部屋の造りは多分、広いワンルームと玄関に続く廊下の途中にキッチンやら洗面所やらあるのだろう。
なんか、大学生が住むような感じだなぁ……。
まさに一人暮らし専用の部屋!って家だ。
階は思ったよりも高く、外の景色がとてもよく見えた。その中には“あの鉄塔”も良く見えている。

改めて私はトリップ……
イナズマイレブンの世界に来てしまったんだな。


「ん……?」


暫く部屋の中をウロウロしていた私だが、ふと窓の隙間に一枚の紙が引っかかっていた。
私はそれを取った。

……なんとなく予想がつく。

私はそっとそれを開いた。

それはやっぱりといか、案の定私宛の手紙だった。


『おはよーございます。今日は日曜日だよー。君は明日から雷門中に通ってもらうね。』


えっちょっと待て。

私高校生ですよね……?
いや、確かに背は高い方じゃ無いけど……!?


『あ、年齢は気にしないで。大丈夫だから。』


いやいや、気にするし!!


『制服は一応用意されてるけど、着るか着ないかは自分で決めてね。セットはバスルームにあるはずだからー。あぁ、君は“特別生徒”扱いされてるから授業は出ても出なくてもいいよー。やって貰わないといけないこと沢山あるからねー。因みに中三だよ。』


いや、ナニソレ!?
なんか若干私不良じゃないですか!?

まぁ、授業受けなくていいのは楽だけど…。そんなんでいいのかなぁ……。


『あとは頑張ってね』


か、軽っ!?

なんか本格的な夢小説みたいになってきたぞ?え、なんか怖いよ…?


「てか、制服どうしよう…」


正直、私は面倒事は避けようとするタイプだ。あんまり上手くいった覚え無いけど。
だから人が近づいてこないような感じにしたい…なんて。

だ、だけど!
それで友達0はキツいよね…(´・ω・`)

でもねー、私がトリップしたいなぁと思っていた理由はただ単純に“楽しそうだから”なんだよ。

逆ハーで皆にちやほやされたり、(されたいけど!)皆にいじめられる悲劇のヒロイン(でも、それはそれで……)になったりしたい訳じゃない。

あぁ、でも。

“傍観者”にはなりたい。
むしろ目指すよ!だって、皆を見ているのは楽しいもんね。
だけどその中に私が入って壊してしまうのは嫌だなー。
見てるだけで充分って言ったら嘘になるけど、見てる方が……うーん?
安心するのかな?よく分からんなぁ…

まぁいいや。

とりあえず、制服の上にパーカーでも着てようかな!


そんな事を考えているとき、聞き覚えのあるメロディーが聞こえてきた。

って、これは……!

「私のケータイ……?」


嘘…、ここケータイ繋がるの!?

私は慌ててケータイみ見た。

何でもっと早くに気づけなかったんだ。ケータイ、これを見ればこれが夢かどうか、ドッキリかどうか分かる手がかりになるんだ。

すると『メールを一件受信しました。』とあった。相手は『☆』?
私のケータイに、そんな人いるわけ無い。
もしかして、
……これはあの少年からだろうか?


「えーと…」


『もうすぐ帝国との戦いだよー。』


「って、それって……」


かなり初期からだな!?
それよりも、メールの相手ってやっぱりあの少年かぁ…。
てか、メール使えるなら手紙の意味ないし。

それよか、今はFF編なのか…。

私はアニメでしか知らないのでゲームの内容は分からない。てか、これって!


「返信出来ないしっ!?」


しかも他の人(親とか友達)のアドレスあるのに、メールはおろか電話すら出来ない!繋がらなぁぁぁい!!


……なんか、一気に疲れたよ…。


私はケータイをポケットにしまいキッチンに向かった。あ、
冷蔵庫あったんだ。小さくてコンパクトだな。ふむ、割と使いやすい。電子レンジも小さいがあるな。日用品はちゃんと用意されてるみたいだ。
それ以外は無いけどね。

そういえば、
お金はどうするんだろうか……?

ふと後ろの壁の足元を見ると、小さな窪みがあった。あれ、これってもしかして倉庫かな?よく見れば分かるぞ。

そこには小さな倉庫……いや、金庫があった。あ、開いた。

少し重い扉を開けると中には金庫とこの家の鍵らしきもの、それと銀色のカードと通帳が入っていた。

多分、この通帳が銀色のカードに入ってる金額を表すものなのだろう。
パスワードらしきものもそこに書かれていた。
これを使え、ということなのだろうか。

何気なくそれを開いて……

私はすぐに閉じた。


……うん、お金の心配はないね…。


えっと、うんっまぁー

……じゃあ、

鍵も手に入れたことですしっ


「コンビニ行くがてら」


散歩でも行きますか。

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