只今傍観ちゅう

□巡り会い
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ぶらぶらと外を歩く。

近くにデパートがあったから衣類や日用品はすぐそろえることが出来そうだ。

雷門中の位置は分かったし、病院も遠くからだけどなんとなく分かった。

私は出店であったアイスクリーム屋さんで買ったチョコチップアイスを食べながら近くにあった公園のベンチに座った。

そういえば、河川敷は見当たらなかったな…

私は暫くボーっとしながら空を見上げた。


…どのくらい時間がたったのだろうか。
いつの間にかアイスは溶け、私の手に流れていた。


「あ……」


私は慌ててアイスを口に入れた。

…ずっと悩んでいた。
なぜこの”役”として選ばれたのだろうか。
だってこれは私じゃなくても出来る事だ。別に選ばれていやというわけではないが何でだろうか、と考えるのは普通だと思う。


「…まぁいいや」


あれこれ考えるのは疲れる。
とりあえずこのことを考えるのは後にしよう。

私は最後の一口でアイスを食べ立ち上がった。そのまま近くのコンビニへと向かう。

まぁ明日の朝ごはんくらいは用意しといたほうがいいよね。

歩きながら私はこれからのことを考える。
明日から学校か……
私は物語を元の形に戻す、いわば“修正役”っといったところか。
一番いいのは多分サッカー部に入る事なんだろうけど、正直それは嫌だな。もちろん様子を見てから考えるけど…
さっきも家の中で考えていた。
よくあるじゃん?
いじめられるっていうお話。いやぁ、そうそうないとは思うよ?思いたいけども!
…まぁ、どうやら学校にとっては私は非公式的な存在のようだから部には入らないほうがいいだろうね。なるべく目立たない方がいいのも事実だし、だからそっちの方向は無しという事で…。
ああでも、やっぱりマネージャーの子達と仲良くできないのは少し残念だな。
ま、しょうがないか。

そんなことを考えながらコンビニに入った。
私は今日の夕飯用の弁当と明日の朝ごはん用のパンをいくつか買おうとレジに並んだ。


「〜で……が…」

「…でも……だった……ろ?」

「………だ…」


…うん?
なんか聞いたことある声がするのは気のせいかな??
私はチラッと声のするほうを見た。


「げっ…」


棚に隠れて頭部しか見えないけど…
あのオレンジのバンダナはまさか!?じゃあ隣にいる黒色の髪は中途半((ゲフンゲフン
やばーい☆いや、まてまて…
でも向こうは私のことを知らないはず…
…あれ?でも……!
そうだ、私円堂とは会ったことあるんだ!多分昨日だけど…。さすがの円堂も昨日のことは覚えているだろう。
さて私、どうする……!?

そんなことを考えかれこれ0.5秒。
ちょっ、レジよ。早く進んでおくれ!なんかこっち来そうだよ!
あ、順番来た。


「1400円です、お箸つけますか?」

「あ、はい」

「はい、ちょうどお預かりします」


早くー!早くしてくれぇぇ!


「ありがとうございましたー」

「ありがとうございます!」


さあダッシュ!
そのとき…


「っわ…」

「…おっとっ」


前を見ないでいたからか、ドンッと真正面から人とぶつかり荷物を落としてしまった。
私は荷物をそのままに慌てて頭を下げた。


「す、すみません…!」

「いや、こちらこそ。大丈夫か?」

「あ、はい…」


なんだろう…、若干嫌な予感が…
私は荷物を取ろうと手を伸ばした…が、先に前にいた人が取った。


「あ…」

「はい、中身大丈夫か?」

「多分…、ありがとうござ……い、ます…」


のおおおぉぉぉぉぉーー!!?

私は顔を上げた瞬間固まってしまった。
目の前にいるのは鮮やかな水色の髪を持つ少年だった。つまり…


「あ、風丸ー!」

「あぁ、円堂!」

「来たのか!あれ、そいつ…」

「し、失礼しましたー!!」

「あっ…」


私は風丸から荷物を奪い取ると慌てて走った。

そしてそのまま家に駆け込んだ。


「あ、危なかった…」


私はオレンジ色に染まりだした部屋を見た。

これからがんばらなくちゃ…
何で私か、未だに分からないことだらけだけど。ここまで来たからにはやるしかないよね。

そうと決まれば明日に備えて早めに寝ておこう。

私は買ってきた弁当をレンジに入れた。


…………


「円堂、さっきの子知っているのか?」

「え?あーうん。多分昨日の…」




(こうして巡り会い、始まっていく)

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