只今傍観ちゅう

□帝国が来た!
1ページ/1ページ

〜〜♪〜〜…♪


「……ん…」


うるさいなぁ…
あ、アラームか……

私はまだ眠い目を擦って欠伸をした。
今日から雷門中へと通うんだ。
そして今日は帝国との試合…気が重いなぁ…

多分私が出来るのは遠くから皆の試合を見てることだけだ。私は特にサッカーが出来るというわけではないし、優れた頭脳を持っているわけじゃない。だから試合に参加することなんてとても出来ないだろ。

…もどかしい。

まぁ、試合はまだ始まってもいないんだからこんな事考えたってしょうがないんだけどね。

さてと…

私は昨日買っておいたパンをいくつか食べると制服に着替え、パーカーを羽織った。
今は6時前。
このくらいの時間なら多分余り人はいないだろう。門が開いているか謎だが。

私は家を出ると鍵をかけ階段を下りた。


「…あ」


下りてる途中、見覚えがある(画面の中でだけど)人影を見た。
あれは…まさか豪炎寺?
家近いのかな…?まぁいいや。

豪炎寺が見えなくなるのと同時に私はマンションから出た。
随分と早く学校に行くんだなぁ。やっぱり気になってるのかな。
さてと…

私は雷門中に着くと、正門前を通り過ぎて裏門へと向かった。そのほうが目立たなくていいだろうし。
私は授業を出なくていいんだよね。
ホント楽だなぁ。

…あれ?

歩いている途中私は体に少し異変を感じた。
これって、ここに来る時に見た光り…。
私の体が何故か微かに光っていた。


「な、何…!?」


そのとき。

〜〜♪

私のケータイだ。
開くと『☆』…これってあの少年から?


『おはよーだね。君がこれから物語を元に戻していくにあたって必要な力をあげたよー。もう分かっているだろうけどそれは“サッカーセンス”だね。まあでも君の体力だったら90分ももたないだろうから試合に出るのはお薦めしないねー、まっとにかく頑張ってねー』


え、えぇぇぇぇぇ!?

なんでえぇぇ!?
え、じゃあ私サッカー出来るの!?

…えと、じゃあ私は必要なときだけ頑張ればいいんだよね…?うわぁ、めんど((ゲフン

さぁ、これでもう何が起きても驚かないかな。行こう。

いつの間にか私の体からは光が消えていた。
変わりに力が溢れるようだった。

しかし…、確かに私の体力は人並くらいだ。
90分も試合なんて出来ないだろう。もともと試合するつもりなんてないけど。

気づいたら回りにちらほらと人が集まりだしていた。
登校時刻になったのだ。

私は慌ててグラウンドのほうに向かうと大きい木の陰に隠れた。
でもここからだとよく見えないかもな…
あ、そうだ。この木に登っちゃおう。

…おお〜!よく見える!!

私はケータイを見た。
時刻は7時前。

グラウンドにはすでに何人か選手がいた。

あれは…一年生の子達かな?こんなに早く来るなんて気合入ってるね〜。
…あ、あれは染岡達かな?
なんか疲れた顔してる…?それとも緊張してるのかな?…あれ、あそこに入るの円堂。看板持ってるし…
………!
そうか、まだメンバー集まってないのか。
ああやって朝練してる部活まわってるのか…
そういえばマックスってその日に入ったんだよね?大丈夫なのかな?
…ま、いっか。

しかし、帝国こないなー。
木の上は心地よく、日も良くあたるためポカポカしてしていた。そのせいか私はだんだんと眠くなってきた。
…ちょっとくらい寝てもいいよね?
私は太い木の枝に頭を預けると目を閉じた。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ