ごみ箱
□わがまま姫
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優しい笑顔が好き
拗ねた顔が好き
潤んだ目が好き
すごく可愛いかった
「ねーねー!!」
「……」
「ねー!!」
「…なんだ、今勉強中なんだが、」
「豪炎寺、勉強ばっかでつまんない!!」
「……はぁ」
でも…すごくわがまま
呆れてしまう。
もう少しおとなしくしてくれればいいのに
「豪炎寺ー!!」
「…まったく、後で遊ぼう」
「…!!!」
俺はまた勉強に戻る。
………
………?
…やけに静かだな。
俺がチラリと 鈴 の方を見ると…
「…(怒泣)」
「!!?;」
鈴 が泣いてる。
泣くのは珍しいほうだから驚いた。
ギュッと強く拳を握り、肩を震わせ、上目遣いの 涙目で一生懸命俺を睨んでいる。
「…なんだ?」
「っ───…。」
俺が言うと、 鈴 は口を開き何かを言おうとし て…止めた。
そして…
「……豪炎寺のバカ…」
小さく呟いた。
……あぁ、
それでやっと俺は気付いた。
こいつは…
ずっと構ってほしかったんだ。
…寂しかったんだ。
「…ごめん、 鈴 」
「何っん─!?」
鈴 にゆっくりキスをする。
甘くて、とろけるようなキス…
「なっななな//////」
「こっちにこい、何をしたいんだ?」
「!!…じゃあおしゃべり……沢山、お話ししようよ!」
俺は笑って頷いた。
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わがまま姫
一生寂しい思いはさせない