短編小説

□弾けて消えた小さな泡(終)
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今日も吸血鬼の君は、ベッドの上で僕を押し倒し甘えたような上目遣いで言う。

貴方の血を飲ませて?
じゃないと死んでしまうのよと。

「いいよ。」
僕は、すぐにそう言って口角をあげた。
すると
君は嬉しそうに僕の唇にキスした後、首筋にかじりつき血を吸っていく。

人間の自分の血が無くなっても構わなかった。
むしろ血を吸われることに快感を覚えていった。
吸われているとにやけてまでくる。
彼女を依存し、愛しているからだ。

初めて彼女に話しかけられた瞬間
吸血鬼という存在に驚きもせず、何故かずっと傍に、君だけがいればいいと思った。
いや、いて貰おう。
きっとそれほど彼女を愛しているからなのだ。
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