ゾルディック家編

□#24 素直にならなきゃ
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「だけど、一番聞きたいのはね…


どうしてわたしにだけ、殺し屋だってことを隠してたのかってこと。」


ゴンの瞳が複雑に揺れる。

「…わたし本当は、これが一番辛かったの。

キルアにとって、わたしは信用ならない人間だったのかもしれないわ…。」

そう言って、本当に悲しそうに笑う彼女。

ゴンはもう、胸がいっぱいになった。


『…違うよ、ジュリ。

キルアはそんなこと、思ってない。』


何かを覚悟したように、彼はぎゅっと肩に力を入れるとジュリに向かってこう言った。


「ねぇ、ジュリ。

もしもだよ?

今、俺がジュリの手を握ったとしたら…
どんな気持ちがする?」

突拍子もない質問に思わず目が点になる。

「…えっ……え?

それは、もちろん…
嬉しいわよ?」

「じゃあ、キルアだったら?」

「えっ!!?」

至って真剣な顔をして聞いてくるゴンに、ジュリはただただ焦るばかり。

「それがキルアだったら…
どう?」

汚れのない瞳に見つめられ、ジュリはたどたどしく答えた。

「そうね…。

嬉しい…?

んー、でもでも…

恥ずかしい…かも…」

言いながら、顔が熱くなるのが自分でも分かる。


一体、ゴンは何が言いたいのか…。


しかし彼は、挙動不審になっている彼女に対して更に追い討ちをかける。

「じゃあさ、もし俺にチューされたらどう?」

「えっっ!!??」

「“もしも”だよっ」

完全に混乱している彼女に、ゴンは念押しのように付け足した。

「…えーっ、、、

どうかしら…
もちろん嫌じゃないんだけど…」


今まで彼を、そういった対象として見ていなかったため、いくら“もしも”と言われても戸惑ってしまう。

第一想像すらできないのだ。



そんな彼女を見つめて、ゴンは最後の質問をした。
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