ゾルディック家編

□#24 素直にならなきゃ
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「…じゃあ、


キルアだったら?」


「……っ!!」


聞かれた瞬間、ジュリの顔色が劇的に変わった。



もし、

キルアが…



考えただけで息が苦しくなる。


彼の白い肌。

柔らかい銀髪。

綺麗な碧眼。


そして…
整った唇。


全てが今、彼女の頭を支配して離れない。



「…やだ、わたし…

どうしちゃったのかしら…」

紅潮した頬を両手で挟み、今までにない感情に襲われる。



そんな彼女の様子を見て、ゴンは静かに呟いた。


「…キルアは自分の気持ちを表すのが下手だったんだよ。
今頃きっと、後悔してる。


だからジュリも、
自分の気持ちに素直にならなきゃ。」



自分の気持ちに…

素直にならなきゃ……



そう言われて初めて、ジュリの中で溢れるキルアへの思い。



自分にだけ殺し屋だという事実を教えてもらえなかったことが、こんなにも悔しいのは…


誰よりも彼のことを知っていたかったから。

わたしがあなたの一番でいたかったから。




キルア…



好き

大好き─…



「…っっ」

両手で顔を覆い、涙を流すジュリ。

「…キルアっ


…キルアに

会いたい…」


溢れ出したら止まらない。

彼への想い。
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