ゾルディック家編

□#24 素直にならなきゃ
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ゴンはそんな彼女の頭を優しく撫でる。


『やっと気付いた本当の気持ちを…

大事にしてね。』


そう心の中で呟いた。



そしてゴン自身、これで良かったんだと自分に言い聞かせる。




ジュリ…

俺は、
笑ってる君が好きだよ。



だけどね…

君が最高の笑顔を見せるのはいつだって、

俺の隣じゃなく、
キルアの隣にいるとき。


悔しいけど俺、
キルアの横で笑ってるジュリが



世界で一番好きなんだ。





四次試験で自己嫌悪に陥った時、彼が最初に向かったのはジュリのところだった。

彼女の力になることで、無力な自分を消したかった。


しかし…


そんなゴンの目の前に現れたのは、
スヤスヤと幸せそうにハンモックで眠る…


ジュリとキルアの姿。


その時の二人の表情を見て思った。



あぁ、

ジュリはキルアが好きで

キルアはジュリが好きで…


二人は想い合っているんだと。



しかし皮肉にも、それと同時に知ってしまった。

自分の本当の気持ち。








「今すぐ会いたいの…」

キルアへの恋心に気付いたジュリが今、自分の腕の中で泣いている。

しかし、こんな酷な状況でも、ゴンは彼女とキルアのために笑う。


『好きだよ、ジュリ。』


口に出したら消えてしまうこの関係を、繋ぎ止めたくて…

懸命に笑う。





まだほんの12歳の、彼らの淡い初恋。

だけど、これが…

永遠の初恋。







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