ヨークシンシティ編
□#51 終焉
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「お前達の団長を助けたいからに決まっているだろ!
仲間を取り戻したいって気持ちがそんなに理解できないのか!?」
「黙ってろガキが!
助かりたくて必死か?」
今にも襲い掛かってきそうなフィンクス。
しかし、怒り心頭なのはゴンも同じだった。
──ガッキン──
「自分のために言っているんじゃないっ……
取り消せ!!」
縛られていた鎖をいとも容易く壊し、怒号を響かせる。
その姿を見て、「やれやれ」と言いながらキルアも鎖を壊した。
悪名高き幻影旅団に自ら喧嘩を売るゴン。
アイリはそんな彼の破天荒な姿に、呆気にとられながらも勇気を貰った気がした。
「……クラピカはあんたたちとは違う。」
ゴンとキルア同様に鎖を壊すと、アイリはいつもよりうんと低い声でそう囁いた。
「例え相手が憎い仇だったとしても、約束は必ず守る。
そのことは、実際に彼に会ったパクノダさんが一番よく分かってるはずだよ。」
「………。」
真っ直ぐなアイリの瞳に見つめられ、パクノダは思わず小さく頷いた。
互いに仲間を想う気持ちがぶつかり合い、殺伐とした雰囲気に包まれた幻影旅団アジト。
もはや収集などつかないのではないかと思われた……
その時だった。
「パクノダを行かせてやれ。」
フランクリンはそう言うと、「一番最悪な状況は旅団が死ぬこと。このままモメてたら、旅団事態が崩壊しかねない。」と彼らを説得した。
かくしてアイリたちは、パクノダと共にクラピカが待つリンゴーン空港へと向かうのだった。
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