ハンター試験編
□#03 仲間
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『…これ、どうしたら出てくるんだろう。』
ハンター試験会場に向かって旅を続けているジュリは、自動販売機の前で考え込んでいた。
喉が渇き、何か飲みたいと思っていた時に発見した大きな機械。
ジュースが並んでいるのだが、肝心な買い方が分からない。
「オレンジジュースをお願いします!!」
中に誰か入っているとは考えにくいが、他に術が思い付かず、大声で自販機に呼びかける。
「お金ならあります!どうか出てきてください!」
「…そこには誰もいないよ?」
礼儀正しく自販機にお願いしている少女を怪しいと思ったのか、気の毒に思ったのか。
黒い髪をツンツンに立て、釣り竿を持った少年が ジュリに話しかけてきた。
「これ、ジュース売ってるんじゃないの?」
ジュリは自販機を指差しながら少年に聞き返す。
「ジュースを売ってるんだけど…
自動販売機だから。
売り子さんがいなくても、お金をここに入れたら自分で選んで買えるんだ。」
ほらっと言うように少年は自販機に120ジェニー投入した。
ピロリロリンっと音を立て、自販機が光り出す。
「わぁ。すごーい!」
新鮮な反応を見せる ジュリに、少年は釘付けになる。