ハンター試験編

□#11 これが恋なんだ
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外はすっかり暗くなっている。

アイリたち受験生は、三次試験会場へ向かうため、飛行船の中で待機していた。


「ねぇ、飛行船の中探検しようよ!」

これまでの試験の疲れを癒すため、のんびり過ごしている受験生が多い中、こんな呑気な発言をしたのはゴン。

「おう、いいぜ!!」
「わたしもっ」

それに快く返事したのは、やはり同じく最年少のキルアとジュリだ。

「アイリも行かない?」

ゴンは、壁にもたれかかってぐったりしているアイリの方を向いた。

「う〜ん…。
楽しそうだけど、あたしは止めとく。

ゆっくり、お茶でも飲みたい気分。」

飛行船の中でレンタルされている毛布を首までかけ、今にも眠ってしまいそうだ。

「そっか…残念。
クラピカもレオリオも寝ちゃってるしね。」

「ほっとけよ、ゴン。

アイリも童顔のわりに歳だから疲れてんだよ。
休ませてやろうぜ。」

キルアはアイリを怒らせるために、わざと厭味ったらしくそう言った。
その罠にまんまとハマったアイリは、重たいからだを持ち上げキルアに掴みかかる。

「アンタって子は、本当にかわいくないわねっ!!
あたしだってまだまだ若いですーっ!」

「あはは、冗談だって!」

ケラケラと笑いながら軽やかにアイリをかわす。

「もう、やめてよ二人とも…。」

騒がしい二人に視線が集まり、一緒にいるジュリまで奇怪な目で見られている。


アイリは冷静になると、やはり疲れが溜まっているのだろう、ドシッと腰を下ろした。

「もういいから、ちびっ子軍団は早く行きなさい。」

右手をヒラヒラさせ、まるで野良犬でも追い払うような仕草だ。

「うん、行ってきまーす!」
「また後でな。」
「じゃあねっ」

三人は元気よく、バタバタと廊下を駆けて行った。

『全く、どんだけ元気なんだか。』
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