ハンター試験編
□#13 また会おう
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「…しかし、たけぇな。」
タワーのてっぺんから地上を見下ろし、レオリオが言った。
彼らは今、三次試験会場にいる。
その名もトリックタワー。
三次試験の内容は、生きて下まで降りること。
窓も扉も何にもないこの塔から、果たしてどうやって地上に降りろと言うのだろうか。
制限時間は72時間。
丸三日もある。
つまり、それだけの時間が必要なほどのトリックが、このタワーには隠されているのだ。
「壁をつたって降りるのは無理そうだよね。」
ゴンは、コンコンっとタワーの側面を叩きながら思考を凝らしている。
アイリたちも皆、「うーん」と唸りながら、何か良い案はないかと考えていた。
その時、
「俺なら壁をつたって降りられるぜ。」
と一人の受験生が彼らの間に入ってきた。
アイリたちが興味津々で見守る中、彼は壁の凹凸に巧いこと手足を乗せ、少しずつ下っていく。
「普通の人間には無理だが、ロッククライマーの俺にはこれくらい朝飯前さ。」
なるほど、それは確かに有利だ。
アイリたちは感心しながら、彼の軽やかな動きに見入っている。
気付けばもう半分。
「あの人、試験合格一番乗りね!」
ジュリがそう言ったのとほとんど同時に、向こうから何か飛んでくるのがキルアの目に入った。
ギャアギャアー
醜い鳴き声を上げながら近づいてくるその生き物は、人面鳥だ。