ヨークシンシティ編
□#41 またひとつ
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「残り……いくら?」
「俺とゴンで二人合わせて1034万ジェニー。」
「……確か最初は8億くらいあったわよね??」
ネットカフェでグリードアイランドの情報を入手したアイリたち四人は、ゴンの案により自分たちも売り手としてネットオークションに参加することにした。
オークションに抵抗を感じた女子組は参加せず、ゴンとキルア二人の元手8億を使っての挑戦。
最初は順調に稼いでいたものの……
どうやら詐偽の常套手段にでも引っ掛かったらしい。
「くそーあのじじぃ、まんまと騙されたぜ‼」
「最初の壺は2倍で売れたのにねぇ。」
「今考えりゃそれが罠だったんだよ‼」
オークションなんて初参加の少年たちにとって、この手の知識は皆無であり、見事に当たって砕けてしまった。
落ち込む二人を目の前に、アイリやジュリも掛ける言葉が見つからない。
「…ま、まぁ、まだあたしとジュリちゃんの貯金が合わせて5億ほどあるし‼
何とかなるよっ」
「そうね!
わたしたちの分も使ってかまわないから、もう一度上手く稼げる方法を考えましょう?」
不穏な空気を断ち切るために、少女たちは出来る限り明るく振る舞った。
しかし……
彼女たちが気を遣えば遣うほど、ゴンやキルアの男としてのプライドは傷つくばかり。
キルアに至っては、ジュリのお金を使うということは恋人の財産に手をつけることになる。
そんな情けない話があってたまるものか。
キルアは悔しさのあまり、ポケットの中でギュッと拳を握りしめた。
その時である。