ヨークシンシティ編

□#43 約束の日は…
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荒れ果てたビルの一角。

電気も何も通っていないこの薄暗い部屋には、ろうそくの炎だけが煌々と光っている。


ここ幻影旅団のアジトでは、久々に集合したメンバーが
、「団長」の指示を今か今かと待っている。


体の大きな者も、小さな者も。
人間らしくない者も、人間にしか見えない者も。
男も、女も。

様々なタイプの者が混在するメンバー。

その中に、見覚えのある者がいる。


背中に「4」の団員ナンバーをつけたピエロのような男。

ヒソカだ。




「全部だ。
地下競売のお宝、丸ごとかっさらう。」


真っ黒の髪をオールバックにし、額には十字が刻まれているハンサムな男がそう言った。


「本気かよ、団長。」

体の大きな獣のような男は、先程の若者の言葉にワナワナ震えている。

見るからに強そうなこの男よりも、一見普通な好青年の彼の方が「団長」とは……


見た目には分からぬ強さが、かえって恐ろしい。



「地下の競売は世界中のヤクザが協定を組んで仕切ってる。
手ぇ出したら世の中の筋モン全部敵に回す事になるんだぜ!!?
団長!!!!」

「怖いのか?」

荒々しく大声を出すウボォーギンというその男に、団長は問いかけた。


「嬉しいんだよ……‼



命じてくれ団長、今すぐ!!!!」

「俺が許す。


殺せ。
邪魔する奴は残らずな。」

「おおぉーー!!!!!!!」

ウボォーギンの雄叫びが建物に響き渡る。

団長はその反応に満足そうな表情を見せると、自身は動かず機動派の団員を見送った。


悪名高き幻影旅団。

12本の脚がとうとう暴れだす。



その内の一本であるヒソカは、果たして何を目的にしているのか……。

まだ誰にも分からない。






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