ヨークシンシティ編
□#45 分かれ道
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目が覚めて、携帯の着信に気がついた。
ディスプレイに映った名前に胸が張り裂けそうになる。
およそ半年ぶりに聞いた彼の声は、
あの時と同じ甘く優しい響きで─…
涙が止まらなかった。
こんなに長い間離れていたのに、
彼が選ぶ少し硬い言葉も、優しい声も、話す速度も
変わらずそこにあった。
あたしの知ってるクラピカだ。
そのことが、何よりも嬉しかった。
『もちろんだよ、クラピカ。
あたし、ずっと待ってる。
信じて待ってるから……
必ず迎えに来てね。』
どんなにすれ違ったって、それが運命の定めだとしたって……
そんな神様の悪戯には、二人で抗おう。
もう、あなた以外は考えられないのだから。
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