ヨークシンシティ編
□#47 帰る場所
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9月3日
クラピカと連絡が取れなかったアイリたちは、ひとまず自分たちの力だけで旅団を捕まえようとしていた。
ネットで有力な手がかりを入手し、目撃情報が得られた場所へ赴く。
そこに居たのは長髪に口髭を生やした男と、髪を下ろした綺麗な女性だった。
間違いなく、競売でもらった写真に写っている人物である。
「尾行は俺とゴンがやる。
奴等に姿を見られたり、俺がこれ以上追跡不可能だと思ったりしたら尾行は即中止だからな。
一応携帯を繋いだ状態にしておくから、ジュリたちもこっちの状況を把握しといてくれ。
ゴンもアイリと携帯繋いどけよ?」
「分かった!」
そうしてゴンとキルアの尾行がスタートした。
アイリたちは人気の少ない空き地でひたすら携帯を耳に当てている。
レオリオは別の方法でお金を稼ぐために単独行動をしていた。
尾行を始めて数十分。
暫く無音の状態が続いていた電話口から、激しい物音が聞こえてきた。
──ガシッ──
──ギャオッ──
──ブチ──
「……っ!?」
異変が生じたことが分かったジュリは、思わず言葉を発しそうになるのを必死で堪える。
もしも携帯が繋がっていることがバレたら、厄介なことになるかもしれない。
焦る気持ちを抑えながら携帯を握る手にぎゅっと力を入れた。
その時だった………
──よぉー、フィンクス──
──さて、ニイちゃん。いくつか聞きてぇことがあるんだが──
電話口から聞こえるその声に、ジュリの背筋が凍る。
『………キルアが、捕まった!?』