ヨークシンシティ編
□#50 不吉な雨
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ヨークシンの街に降る不吉な雨。
キルアは雨合羽を目深に被り、旅団のアジトを見張っている。
共に行動しているのはセンリツとセナ。
セナに対する不信感と怒りは拭えないが、クラピカとアイリの側に居させるのも気に食わない。
そういうわけで、センリツと共に彼女を連れて来たのだ。
旅団はアジトと同じ建物をいくつも具現化させていた。
ゴンたちを錯乱させるために増やしたのだろう。
さすがの対応にキルアは小さく舌打ちをする。
一方、アイリたちはレオリオが運転する車でキルアからの連絡を待っていた。
暫くして、ゴンの携帯電話が車内に鳴り響く。
──ピピピッ──
「もしもし?」
「あの女がいたぜ。
だけど仲間と一緒だ。
6人で行動してる。
その中にあのチョンマゲもいるぜ。」
「げっ!」
露骨に嫌な顔をするゴン。
キルアは続ける。
「あと一人、俺たちが昨日見てない奴がいる…。
こいつおそらく、リーダーだ。」
咄嗟にクラピカを見るゴン。
その視線を受け、クラピカはゴンと電話を替わった。
キルアからの情報により、旅団の向かう見当が着いたのだろう。
電話を切ると、「南へ向かってくれ。」とレオリオに指示を出した。