ゾルディック家編
□#26 難解すぎるのだよ
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─特訓 14日目─
アイリたちは今、試しの門の前に立っている。
「うりゃぁぁぁぁ!!!」
うなり声を上げながら、扉を開くレオリオ。
「すごいっ!!
レオリオ2の扉まで開けちゃったわっ」
ジュリは思わずパチパチと拍手をした。
「ゼーゼー…
まぁな…!」
肩で大きく息をしながらも、レオリオは得意気に親指を立てて見せた。
「クラピカもゴンも1の扉を開けれるようになったし…
あとはあたしたち女組が頑張るだけだね。」
アイリはそう言うと、ポンッとジュリの肩に手を乗せる。
「…えぇ。
もう少しなんだけど…。」
ゼブロたちの宿舎での特訓の成果もあり、男たちは皆 試しの門を開けることに成功した。
残るアイリとジュリも、ミシミシと音を立て動くようにはなったものの…
まだ途中で力尽きてしまう状態である。
片方だけで2トンもあるこの扉。
女の子たちには厳しいのも当然だ。
「大丈夫だよ!
このままあと二、三日もすれば
ジュリたちもきっと開けれるよっ」
明るく笑いかけるゴンに背中を押され、アイリとジュリは力強く頷いた。
「では、宿舎に戻るとしよう。」
「うんっ!
そうだっ、ジュリちゃん!
ゼブロさん家まで競争しようっ」
「えっ!?」
「これも特訓のうちだって!
ねっ、いいでしょ?」
「…そうね!
でもわたし、走りなら負けないわよ ?」
「はい、はーい!
俺もやるっ!!」
「んじゃ行くぞっ。
よーい…どんっ!」
レオリオの合図と共に走り出したアイリ、ジュリ、ゴンの三人。
キルアに会う日もそう遠くないと気付いた彼らの心は、いつもよりうんと軽かった。
「ったく、相変わらず元気だなぁ。」
「全くだ。」
その後ろ姿を見届けているクラピカとレオリオも、自然と笑顔になっている。