天空闘技場編

□#35 人生を楽しみなさい
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ゴンが骨折をしてから二ヶ月が過ぎた。

気付けばもう五月。
若葉が生い茂る、爽やかな季節がやってきていた。


そして今日からいよいよ、アイリたちの本格的な念修行が始まる。


「ズシくん!久しぶりーっ
元気だった?」

二ヶ月ぶりにウイングとズシの宿を訪れた四人。
その間にもズシは、着々と修行を積んでいた。

「元気っす!
アイリさんもお元気そうですね。」

「相変わらず、クラピカクラピカうるさいけどな。」

「………何よ。
自分だってジュリちゃんにベッタリなくせに。」

「あぁん!?」

「もう、止めなよ二人ともー。」


久々の再会だというのに、さっそく目の前で繰り広げられる幼稚な喧嘩に、ズシもたじたじ。

ゴンは冷や汗を流しながら仲裁に入った。


そんな彼らのやり取りを微笑みながら見ていたウイング。

アイリとキルアが落ち着いたのを確認すると、ゴンに纏をしてみせるよう告げた。


「……はい!」

二ヶ月前の感覚を思い出すように、慎重にオーラを纏う。


「…あ。
ゴンの小指の糸が……。」

ジュリがそう言って指差す方を見ると、誓いの糸と言っていたそれが見事に契れていた。


どうやらこの赤い糸、纏を使うと切れるように念が込められていたらしい。

「…なるほどね。
ゴンが約束破ってたら、これで一目瞭然だったわけか!」

初めから念の一種だろうと感づいていたアイリは、自分の予想が的中したことにご満悦の様子。



しかし…

この後彼女たちは、念能力の奥深さを思い知ることとなる。



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