天空闘技場編

□#37 大事な人
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6月も中旬に入った頃。


ギドやリールベルトとの試合も終え、ゴンはとうとうヒソカから試合を組む許可をもらえた。

決戦の日は約一ヶ月後。

それまでに更に念の腕を上げ、当日は彼の顔面に一発お見舞いしてやるのだ。
そして、あの“44”のプレートを突き返す。

それが今のゴンの目標だ。



一方、ヒソカに脅されていたジュリは、あれから一週間は自室に籠もったまま外に出てこなかった。

アイリやゴンが彼女の部屋を訪れても、「暫く修行に集中したい。」と言われ追い返される始末。

食べ物を差し入れるときにしか顔を見せてくれないため、アイリたちも相当心配していた。


しかし、それよりもアイリとゴンの頭を悩ませたのは、キルアの方だった。

「ジュリは俺とも会おうとしない!」とか「付き合ってるのに一週間も放置するなんて納得できねぇ!!」とか言って騒ぎ立て、ゴンたちが何度止めても、ストーカーのように彼女の部屋へ通い詰めていたのだ。

これにはアイリたちもお手上げ状態。
「今はそっとしておいてあげようよ?」なんて言葉、彼に通じるはずもない。


しかし、キルアの執拗なまでの行為が功を奏したのか…

数日後にはいつものジュリが、笑顔でゴンたちの前に現れた。


キルアをイルミから解放したい一心で、部屋に籠もって修行していたジュリ。

その事実はキルアも含め、まだ誰も知らない。
だが、結局のところ今回も彼女を絶望から救ってくれたのは、他でもないキルアたったのだ。

このジュリとキルアの一件については、また別の機会に語ることにしよう。



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