ハンター試験編

□#01 旅立ちの日
2ページ/5ページ

歴史を書き残すため、様々な国を転々としてきたディーノ。

彼は幼いラキを拾うと、身よりのないその子を我が子のように育ててきた。

ラキもそれに応えるよう、彼に生きる術や考古学を学ぶようになり、今ではディーノの後継者として師弟の関係でもある。


ラキと旅を始めて三年が経ったとき、当時まだ8歳だったアイリと出会った。

彼女には記憶がなく、それまで誰とどこで暮らしていたのか全く覚えていなかった。

かろうじて覚えていたのは自分の名前だけ。

そしてディーノたちの二人旅は、いつしか三人旅になっていた。




気がつくと、あれからもう七年…。

月日が流れるのは本当に早い。


「ラキはディーノの後継者としてどんどん強くなってるのに、あたしは弱い。

このままじゃ、一緒に旅をしていても二人の足を引っ張るだけだよ…。

だから…
あたし、ハンターになる!」

アイリがそう言ったのは2ヶ月前のことである。

ディーノのような凄腕の考古学者になるためには、それなりのセンスが必要なのだが、 アイリ にはラキのようにずば抜けたものがなかった。

そのため修行をするでもなく、彼らに付いて旅をしていたが、そんな自分が許せなくなり、
「考古学者が無理ならば、せめて違う形で自分も強くなろう。あたしのやり方で。」
と考えるようになった。

そうして行き着いた先がハンターになることだったのだ。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ