ハンター試験編
□#01 旅立ちの日
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歴史を書き残すため、様々な国を転々としてきたディーノ。
彼は幼いラキを拾うと、身よりのないその子を我が子のように育ててきた。
ラキもそれに応えるよう、彼に生きる術や考古学を学ぶようになり、今ではディーノの後継者として師弟の関係でもある。
ラキと旅を始めて三年が経ったとき、当時まだ8歳だったアイリと出会った。
彼女には記憶がなく、それまで誰とどこで暮らしていたのか全く覚えていなかった。
かろうじて覚えていたのは自分の名前だけ。
そしてディーノたちの二人旅は、いつしか三人旅になっていた。
気がつくと、あれからもう七年…。
月日が流れるのは本当に早い。
「ラキはディーノの後継者としてどんどん強くなってるのに、あたしは弱い。
このままじゃ、一緒に旅をしていても二人の足を引っ張るだけだよ…。
だから…
あたし、ハンターになる!」
アイリがそう言ったのは2ヶ月前のことである。
ディーノのような凄腕の考古学者になるためには、それなりのセンスが必要なのだが、 アイリ にはラキのようにずば抜けたものがなかった。
そのため修行をするでもなく、彼らに付いて旅をしていたが、そんな自分が許せなくなり、
「考古学者が無理ならば、せめて違う形で自分も強くなろう。あたしのやり方で。」
と考えるようになった。
そうして行き着いた先がハンターになることだったのだ。