ハンター試験編
□#03 仲間
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「好きなのを選んで、そこのボタンを押してみて。」
そう促され、お目当てのオレンジジュースの真下にあるボタンを押す。
ガコンッー
下の小窓からジュースを拾い上げる。
「はい、どーぞ。」
「ありがとー!!
あ、そうだお金。」
「いいよ、それくらい。」
「ダメよ!」
「…じゃあ、俺の分のジュース買ってくれる?」
ジュリの勢いに押された少年が、閃いたようにそう言った。
「本当!?
じゃあ、もう一回自販機使えるのね♪」
彼の予想通り、 ジュリは目をキラキラ輝かせてもう一度自販機のボタンを押す。
何の変哲もない自動販売機にウキウキしている彼女の反応が新鮮で、見ているこちらも自然と顔が綻んでくる。
「はい、どーぞ♪」
ニッコリ笑顔でスポーツドリンクを手渡した。
「ありがとう。
俺、ゴン。
キミは?」
「わたしはジュリ。」
二人が自己紹介をしていると、どこからともなく声が聞こえてきた。
「おーい!ゴンっ!!
お前、急にいなくなるなよなー。」
黒いスーツを身にまとい、サングラスをした長身の男性が、大きく手を振り駆け寄って来る。
その後ろには、民族衣装のようなものを着た金髪の青年もいる。
「ごめん!
レオリオ、クラピカ。」
「ったく。
…お!そこのお嬢ちゃんは?」
「 ジュリって言うんだ。」
「どうも。」
ペコリと行儀よくお辞儀した。