ハンター試験編
□#05 全ての始まり
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「よさないか、二人とも。
無駄な体力を消耗するぞ。
何よりまずうるさい!」
ゴンたちから少し距離を置いて走っていたクラピカが、思わず二人を制した。
「試験は基本的に持ち込み自由なのだよ。」
クラピカにそう言われ、一気に大人しくなるレオリオ。
ジュリの様子を黙って見ていたキルアは、何となく、彼女たちと話をしてみたいと思った。
「アイリ、降りるぞ。
いいか?」
「…。」
「…アイリ?」
後ろから返事がしないのを不思議に思い振り向くと、アイリは何かに洗脳されたかのように金髪の青年を見つめている。
「…。」
自分の話を無視されて悔しかったのだろう。
キルアは勢いよくスケボーを蹴り上げる。
「ぎゃっ!?」
見事着地したキルアとは対照的に、ぼけっとしていたアイリはスケボーから吹っ飛んでしまった。
そしてそのまま、少し後ろを走っていたクラピカの元へダイブする。
「…!?」
とっさの出来事だったが、クラピカは素早くアイリを受け止めた。
「…っ!ご、ごめんなさい!!」
アイリは顔を真っ赤にしてすぐにクラピカから離れた。
「いや、私は大丈夫だ。
あなたは?」
「はいっ、大丈夫です!」
「なら良かった。」
軽く微笑むクラピカ。
そして何事もなかったかのように、再び走り出した。