ヨークシンシティ編

□#41 またひとつ
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「だから信用できる公共サイトだけにしようって言っただろ!?」


やるせない気持ちを、自分の中で処理しきれなかったゴンが、とうとうキルアに不満をぶつけた。

こっそり想いを寄せているジュリのお金を使わせてもらうなんて、ゴンだって絶対にしたくないのだ。

「んなもん8時間やって稼ぎがたった985ジェニーだぞ!?
80億稼ぐのに何百年かかるんだよっ‼」

「減るよりいいじゃん‼」

大人たちが賑わうヨークシンの街に不釣り合いな、子どもの喧嘩する声が響き渡る。

不穏な空気にあたふたするアイリたちをよそに、ヒートアップするゴンとキルアの口論。

プライドが傷ついたのと、何としてもお金を集めなければならないという焦燥感から、今後は協力体制ではなく、どちらがよりお金を稼げるか対決するということで話はまとまった。


残っている1034万ジェニーを綺麗に二等分したお金を元手に、二週間でどちらが手持ちを増やせるか勝負する。

「面白れぇ。
負けたら!?」

「勝った方の言うことをひとつ何でもやる!」

「乗ったぜ?
完膚なきまでに負かしたらぁ‼」


至近距離で睨み合う二人。

まったく、男の子というのはどうしてこうも勝負事に熱を上げてしまうのか……


半ば呆れモードのアイリたちは、ほとんど他人事のように二人のやりとりを見ていた。

しかし次の瞬間、彼女たちは自分たちが“ただの傍観者”でないことを知る。


「ジュリ、行くぞ!」

「えっ!!?」

「アイリっ!
行こう‼」

「……へっ!?」



よーいどん!のかけ声で勝負をスタートした少年たちは、当然のようにアイリたちを巻き込んで走り出していた。

かくして、チーム戦へと形を変えたこの闘い。
果たしてどのような結末を迎えるのか……


結果発表の8月31日夜0時まで、あと二週間。
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