ヨークシンシティ編
□#50 不吉な雨
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旅団は駅から中心街に向かっているようだ。
クラピカ達のホテルも、同じ方向にある。
「まずいな。
ホテルの方向だ。」
「そこに誰かいるの?」
「あぁ。
同じ仕事の仲間が一人いたはずだ。」
「……連絡してあげた方がいいね。」
アイリにそう言われ、クラピカはスクワラという仲間に電話をする。
さすがの彼にも焦りの色が見えていた。
スクワラにホテルを去るよう指示を出し、電話を切ると丁度駅についた。
キルアの話によると、ここで待ち伏せていれば旅団が出てくるはず。
そしたらゴンが奴らの前に姿を表して、気を引く……。
まさに命懸けの作戦だ。
車内の空気は緊迫していた。
……と、その時。
姿を現した旅団が、街中を全速力で走り出した。
「ホテルの方向に走ってる!
速い!!」
「車で先回りしたら!?」
ジュリの問いかけに、レオリオは苦い顔をする。
「そろそろラッシュの時刻だ。
車より奴等の方が早いかもしれねぇ…」
「………確かに。」
アイリがそう呟いたのと同じタイミングで、突然車のドアが開く音がした。
嫌な予感に背筋が凍る。
恐る恐る窓の外に目をやるアイリ。
そこには闘志を露にしたクラピカの姿があった。