ゾルディック家編

□#30 最高の友達には最高のパートナーを
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アイリの閃きで、俺たちがパドキア共和国の小さな公園に着いたとき…




キルアとジュリは手を繋いでベンチに座ってた。


その光景を見て、「あぁ、やっと気持ちが通じ合ったんだ」って。

これで二人は恋人同士なんだって。


俺、嬉しい気持ちで一杯になったんだ。




でも、何でかな…。

自分で望んで、ジュリの背中を押したのに。

キルアの横で見せる最高の笑顔を待ち望んでたのに。





今、すごく泣きそうなんだ。




「…あっ!
キルアとジュリちゃんがっっ!」

二人が結ばれたことに気付いたアイリがそう叫んだら、ジュリは咄嗟にキルアの手を放そうとしてた。

だけど、恥ずかしがるジュリとは反対に、キルアはわざとっぽくその手をギュって握ってた。

いつもみたいな自信満々な顔でね。


本当、キルアには適わないや。

ジュリも顔を紅くしながら、本当に幸せそうだった。


「くーっ!!!

やい、お前らっ。
ガキのくせにオレより先にラブラブしやがって〜!

憎いぜっ、コノヤロー!!」

レオリオはそう言いながら、キルアの頭をぐしゃぐしゃってする。

そしたらキルア、「止めろよ、オッサン!!」って怒っちゃって…。

繋いでたジュリの手を放して、レオリオとつかみ合ってた。


何かこの光景、前にも見たことあるような…。


…あ、そうそう!

軍艦島で、誰がジュリと相部屋になるかモメてたときだ!!


あの時は確か…

俺はまだ、ジュリのことを仲間としての“好き”としか思ってなかったんだよね。



そう言えば、キルアはどうだったのかな。


俺たちからはバレバレだったけど、本人はジュリのこと“好き”って自覚、あったのかなぁ。
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