天空闘技場編
□#34 死ぬんじゃねーぞ
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「……ふぅ!!
登録間に合って良かったぁ!!」
アイリはうんっと背伸びをすると、勢い良くソファの上に倒れ込む。
ウイングの説明を受け、200階クラスの人々と闘うには“念”が必要不可欠と知った彼女たち。
登録期限である今夜零時までにヒソカの壁を突破するため、無理やりそのオーラを呼び起こさせることになった。
本来なら“念”というのは、半年以上かけてゆっくりと目覚めさせるものらしいのだが…。
現在の時刻は23時前。
およそ二時間半という短時間で、アイリたちは防御である“纏”を身に付けたのだ。
そんなこんなでなんとかヒソカの壁も突破し、四人は今ゴンの部屋に集まっている。
「おい、ゴン!」
キルアは部屋に置いてある大型テレビの画面を指差した。
「これって…
さっき申し込んだ試合の案内かしら?」
ジュリは眉間に皺を寄せると、心配そうにゴンの方を振り返る。
200階の受付で登録をする際、四人はこのクラスでの戦闘ルールについて教えてもらった。
この先は、一試合行うまでに90日間の戦闘準備期間が設けられること。
その期間内なら、自分の好きな日にちに試合を組むことができること。
このフロアで10勝すれば、バトルオリンピアへの出場権が得られること…などなど。
アイリもジュリもキルアも、最上階の秘密や“念”についての真実を知ることができたため、正直この先の試合はどうでも良かった。
しかし、ゴンはそうもいかない。
ヒソカの顔面に一発喰らわしてプレートを返すには、この天空闘技場が絶好の機会なのだ。
というわけで、ゴンのみ試合のエントリーを行ったのだが……
大きなテレビの画面に映った文字を、アイリは淡々と読み上げる。
「…戦闘日決定。
225階闘技場にて明日午後3時スタート……」
「…明日!?
早っ!!」
いきなり届いた初戦連絡に、素っ頓狂な声を上げたのは当事者のゴンではなく、キルアだった。