天空闘技場編
□#34 死ぬんじゃねーぞ
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「試合日はいつでも良いと言ったけど…
ゴン、大丈夫なの?」
不安そうなジュリに見つめられ、ゴンは自分の拳へと視線を落とす。
さっき感じた不思議なパワー……
あの感覚が堪らなくゾクゾクしたんだ…。
早く、早く、
あの感じをもう一度─…
ゴンはギュッと拳に力を入れると、視線をジュリへと戻す。
心配そうにこちらを見ている彼女に、力強く微笑むとこう言った。
「多分、明日は勝てない。
でもいいんだ。
早く実感してみたいんだ。
この力で一体どんなことができるのか…」
興奮で身震いするその姿は、溢れ出しそうな闘争心を必死で抑えているようだ。
こうなったらもう、誰もゴンを止めることはできない。
仲間であるアイリたちは、止めることも宥めることもせず、ただ彼の力を信じて頷いた。
「んじゃ、そろそろ俺たち帰るぜ。」
日付も変わる頃、のっそりと腰を上げたキルアに続き、アイリたちもドアに向かって歩を進める。
「明日、ファイトだよっ!!」
「今晩はゆっくり寝てね?」
エールを送るアイリと、彼の体調を気遣うジュリ。
「うん!
みんな、ありがとう。
おやすみっ」
ゴンは仲間の姿を見送ると、手を振りながらゆっくりとドアを閉めた。
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