天空闘技場編

□#35 人生を楽しみなさい
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「ヒソカからオーラの糸が出てますので、
探して下さい。」


ウイングはそう言うと、あの時ビデオで撮影した映像を何度も繰り返し流した。


そう、そこに映っているのは一ヶ月前に行われたヒソカ対カストロ戦。


この時ゴンには修行禁止令が出ていたため、キルアはアイリとジュリを引き連れて
試合を観に行った。



……が、すぐに後悔した。


ジュリを連れてきたのは失敗だったと。


何故ならこの試合、結果はヒソカの圧勝で、しかも相手のカストロは最悪の結末を迎えたのだ。


血や悲鳴が苦手な彼女に、一人の人間の最期を見せてしまうとは…


案の定、ジュリはその試合後、暫くは食事が喉を通らなかった。



「………ジュリ。
無理すんなよ。」

ヒソカの腕が千切れるシーンが何度もリピートされる画面。

キルアはそこに繋がっている糸を見破ることよりも、また彼女が体調を崩さないかの方がよっぽど気になる。


「……えぇ。
大丈夫よ。」

額にうっすら冷や汗を流し答えるジュリ 。

その横で、かじり付くように画面を見つめるゴン。


アイリは話の流れからして、何らかの技を使わなければ糸を見つけられないと気付いていた。

しかし、その“技”が皆目見当もつかない。



結局、何度見ても四人はヒソカの糸を見破れなかった。



そんな彼らの結果を予測していたウイングは、二つの課題を提出した。

「君たち四人の課題は“練”を習得し、
ヒソカの“隠”を見破ること。」


「「「「……押忍!!」」」」

ズシの口癖が移ってしまったのだろう。

ゴンたちは思わず腕にぐっと力を入れると、大きな声でそう叫んだ。
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