天空闘技場編

□#37 大事な人
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「いよいよ今日から発の修行に入ります。」

ヒソカとの決戦を一ヶ月後に控えたゴンたちは、ウイングの元で新しい念修行へと移り始めていた。


発というのはオーラを自在に操る技術のことで、念能力の集大成ともいえる。


そもそも念能力者は

強化系、変化系、
操作系、放出系、
具現化系、特質系

この6つの系統に分けられる。


念能力はその人の個性と深く繋がりがある。

一つは生まれもった才能。
そして二つ目は生活の中で磨かれた才能。

これらの才能を元に、自分に合った系統というのが決まってくるのだ。


「自分のオーラがどの系統に属してるかなんて、調べる方法あんの?」

一通り説明を聞き終えたキルアが、もっともな質問をする。

するとウイングは「ありますよ。」と言って、水がたっぷり入ったグラスを用意した。
そしてその水の上には、一枚の小さな葉っぱ。

「水見式。
震源流に伝わる選別法です。

発の修行としてもこれを用います。」

そう言うと、彼はゆっくりグラスに手を近づけて、練を行う。

すると先ほどグラスにたっぷり入っていた水が、更に嵩
を増し、凄い勢いで溢れ出してきた。


「うわっ!
どうなってんの!?」

アイリは目を丸くしながらも、急いで零れた水をハンカチで拭き取る。


「アイリさん、すみません。
ありがとう。」

「いえ、全然!

それより水見式って凄いですね!!」

興奮気味にそう言う彼女に、ウイングは今の変化が何を
示していたのかを説明する。


「水の量がかわるのは強化系の証、私のオーラが強化系の性質に属していることを示しています。

さぁ、五人とも試してみなさい。」


「よし!!
じゃあまずは俺からっ。」

ジャンケンでトップバッターを勝ち取ったゴンが、一つ深呼吸をしてから錬を行う。


─ポトリッ─


雫が一滴、グラスから溢れ出した。
つまりはゴンも強化系であると言うことだ。

「次は自分っす!」


ズシがグラスに手を掛ける。
すると、微かだがそこに浮いている葉っぱが動き出した。
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