天空闘技場編

□#38 暖かな家庭
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「でも、今のお前に出来ることはやり切っただろ?

とりあえず、これで目的は達成したわけだし…
もうここには用はないよな?」

頭の後ろで腕組みしながら、キルアがゴンに問いかける。

すると、それまで少し曇っていた彼の顔が、一瞬で輝いた。

「そのことなんだけど…

ヨークシンまでまだ日があるでしょ?
俺、一回家に帰ろうと思うんだ!」

「家って…

くじら島に??」

ジュリは、いつだったかゴンから聞いた“くじら島”のイメージを頭に思い描く。

「うん。

それで…
良かったらなんだけど、
みんなも一緒に来ない?」

「…え!
あたしたちも行っていいの!!?」

「うん!

ミトさんにも、みんなのこと紹介したいし。」

興奮気味のアイリの隣で、キルアも柄にもなくワクワクした顔をしている。

「……面白そうじゃん。

んじゃ、暫く世話になるぜ!」

「うんっ。

そうと決まれば、早速出発だね!」

ゴンのその一言に、一同は大きく頷いた。



ここ、天空闘技場は彼らの修行の原点。

念と出会い、
師匠と呼べる人に出会い、
ズシに出会い、
ライバルに出会い、


新しい自分と出会った場所。


アイリたちはそれぞれの部屋で荷物をまとめると、ほんの少しだけ寂しい気持ちを抱きながら、闘技場を後にした。



「バイバイ、天空闘技場。」


去り際にそう言ったゴンの一言を耳に焼き付け、彼らはくじら島目指して歩き始める。




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