天空闘技場編

□#39 見返りを求めない愛
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「ゴーン!キルアー!!」

森の真ん中にある、大きな池の前に並んだ二つの背中を見つけ、アイリは大声で叫んだ。

「おっ、来た来た。」

後ろから聞こえる声に振り向き、キルアは「よっ!」と片手を挙げる。

「アイリ、ジュリ!
俺たちだけ先に来ちゃってごめんね。」

「いいのよ。
私たちだって、朝ちょっとでもミトさんのお手伝いしたいし。」

「そうそう。
まぁ、今日は食器洗うくらいしか出来なかったんだけどね。」

「ありがとう。
ミトさんも娘が出来たみたいで嬉しいって言ってたよ!」

「なぁ、それより今日はどーする??
そろそろ釣り意外のこともしようぜー!」

「あっ、あたし泳ぎたーい!!」

「それならこの奥に、ちょうど良い湖があるよ。」

「よっしゃ!ゴン、早速案内してくれよなっ」

ほんの数ヶ月前まで、あの過酷なハンター試験を受けたり、ゾルディック家を訪れたり、念の修行をしたりしていた彼ら。

しかし今は、そんな日々がまるで嘘だったかのような、ありふれた毎日を送っている。

平凡だけど、幸せな時間。



そして彼女たちは、この幸せな時間が、束の間の休息に過ぎないことも知っている。

知っているからこそ、こんなにも無邪気にはしゃいでいるのだ。


そんな子どものようで大人な彼らを、ミトは一体どんな気持ちで見守っているのだろうか…。


小さな背中に、いくつもの困難を背負って…
彼らは今日も、無邪気に島中を駆け回る。




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