番外編
□ある夜の出来事
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「わっ、ちょ…っ!
悪かった!
冗談だっ、冗談!!」
瞳を緋色に変えながら近づいてくるクラピカに後ずさりし、レオリオはそのまま土下座をしてみせる。
「貴様の冗談は一つも笑えん。」
「…おいっ!
今さらりとスゲェ傷つくこと言ったな!?」
「黙れ!
二度とアイリを汚らわしい目で見ないと約束しろっ」
「わっ、分かった!
約束するって!!
つーか、オレが言いてぇのはそんなことじゃなくてだなっ!!」
鬼の形相のクラピカに威嚇されているレオリオは、話を元に戻そうとガバッと立ち上がった。
「お前はいいのかよ!?
このまま特訓続けりゃ、そのうちアイリは筋肉ムキムキになっちまうぞ?」
「…全く。
何を言い出すかと思いきや…」
クラピカは呆れたように溜め息を吐くと、ゆっくりと踵を返した。
「いや、マジで!!
アイリとしても、大好きなクラピカにどう思われてるのか気になるところだぜ?」
「私は彼女を外見で判断したことはない!
それにハンターたるもの女性であれ、か細くて頼りないよりは健康的な方が見ていて安心だな。」
途中、レオリオの顔面に直撃した本を拾い上げると、そのまま何事もなかったかのようにベッドで読書を再開する。
「クラピカの言うとおりだよ!
アイリもジュリも、女の子なのにハンターとして頑張ってるんだよね。」
「そりゃそうだけどよぉ。
オレとしちゃ、やっぱ女はボンキュッボンが理想だねぇ。」
ゴンは隣で「ボンキュッボン?」と小首を傾げているが、クラピカは敢えて説明をしなかった。
「ゴン、品性の欠片もない奴の言っていることは気にするな。」
「おいっ、聞こえてるぞっ!?
ところで、ゴンはどんな女がタイプなんだよ?」
「えっ!俺!?
……うーん」
いきなり予想していなかった質問をされ、四苦八苦する。