番外編
□君の手
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キルアを連れ戻して、パドキア共和国を観光中の六人。
一時はジュリとキルアが迷子になってしまい、どうなることかとヒヤヒヤしたが、何とか無事に再会することができた。
しかも、例の小さな公園で合流したとき、二人はめでたくカップルとなっていたのだ。
六人で昼食を取った後、再び観光を始め、気が付けば時刻はお昼の三時半。
ここで、ついにレオリオがある行動に出た。
「そういや、さっき見た観光マップによると
この辺りに珍しい骨董屋があるんだと!」
あまりにも唐突すぎる話に、五人はキョトンとした顔をしている。
「やっぱ古き良きものに触れ合うってのは大事なことだよなぁ〜。
ってわけで、ゴン!!
ちょっと付き合えよ。」
そう言って、ガバッとゴンの肩に腕を回す。
「…え」っと一瞬戸惑うゴンだったが、何かを訴えるようなレオリオの眼差しに、小さく頷き答えた。
「…うん。
俺は構わないけど。」
「おっしゃ、決まりな!
ってことで、オレとゴンは骨董屋行くからよ!
こっからは別行動にしようぜっ」
何とも無理矢理な展開に、満足げな表情を見せているのはレオリオだけ。
隣にいるゴンでさえも、終始苦笑いだ。
それでも、ゴンには何故レオリオが自分を誘ってきたのか分かっていた。
『多分レオリオは、アイリとクラピカを二人にしてあげたいんだ。
ジュリとキルアも二人になりたいだろうし…』
ゴンはそっと、ジュリの顔を盗み見る。
いきなり別行動を提案され、驚いた顔をする彼女。
「んじゃ、俺らもどっか行こうぜ。」とキルアに誘われ、照れながらも嬉しそうに頷いている。
はにかむジュリの姿を見ると、酷く胸が痛んだが、これでレオリオの予定通り、アイリとクラピカも二人になれるのだ。