ささやかな、
□その1
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「テツヤーテツヤー、寝癖ちゃんと直してよー」
女子の制服を着ている可愛らしい少女…神流は兄のテツヤに指摘する。
「はい…これで大丈夫ですか?」
テツヤは指摘された場所をなんとなくなおしてゆく。
「いいんじゃない?てか鏡見ればいいじゃん」
「そういわれましても、自分でどんな感じがいいのかわかりませんし」
「そろそろ感覚つかみなよ、何年その寝癖とつきあってんの」
「こればっかりは…」
「まったく…」
二人の会話で朝のだるい空間からほのぼのとした空間にかわる。
そして時間だけが過ぎていく…そんな中、見かねた母親が早く行かなきゃ遅刻するよと声をかけ、二人はやっと家をでた。