ささやかな、

□その2
1ページ/3ページ


時がたって放課後…そう、学生の活動が最も盛んになる時間。

「黄瀬、何してるの!そこはシュートフェイクしてから青峰にパス!青峰あいてたよ、ちゃんと周り見て」
「ご、ごめんなさいっス!!!」

黄瀬が怒られて慌てて謝る。それだけのことで、もっとうまくなりたいという気持ちで埋め尽くされる。

「黄瀬君、ちゃんとしてください」
「黒子っちひどいっス…ていうか神流っち部活になると凄く厳しいっスよね」
「そりゃあ神流はバスケが好きですし、凄くうまいですから」
「そうなんスか?!初めて知ったっス」

2人共好きな人の話となると盛り上がる。練習中ということも忘れて。そうなると当然

「そこ、世間話してない練習に集中しろ」
「す、すみませんっス!」
「ごめんなさい…」

赤司に注意された。

「まったく、黄瀬はバカなのだよ」
「本当だ、練習中に話すなんてよっぽど余裕があるようだな、2人とも」
「…え、な、ないっス!ごめんなさいっス!集中するから許してくださいっス!!!」
「…僕、死ぬんでしょうか」
「黒子っち諦めないで!?」

この時テツヤいわく、狼も逃げるんじゃないかと思うほどの黒い笑みだったそうだ。

「全く2人は…」

遠くで見てた神流は呆れたように笑う

「神流ちーん、ドリンクとお菓子ちょうだーい」

そこへ餌を求めてやってきた紫原。サボりたい、というのもあるだろう。

「お菓子はだめだよむっくん」
「えー」
「えーじゃない。練習頑張ったらね」
「…頑張ってくる」
「いってらっしゃい、頑張ってね」

そんな紫原のやる気をいとも簡単にださせてしまう。これはとてもすごいことだ。

「…神流ちゃん、なんであんなにむっくんの扱いうまいの?」
「…同じクラスだから?」
「そういうものなの?」
「そういうもんだよ、多分」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ