シャ「あれ?俺、確かにナイフが刺さったと思ったんだけど…」
『私の念能力の一つなの。命を対価に、ほかの者のケガや病気を治すっていう…』
シャ「え?ルリアの?」
『うん』
そう言って、自分の後ろで倒れている首無しの男を見る。
シャルはそれを見て、納得したようだ。
しかし、すぐに顔を歪めた。
シャ「助けられたのに何なんだけどさ、」
『シャル?』
シャ「それってつまり…俺、あいつの血を飲んだってこと?」
『そう、なる…かな。ごめんね、シャル…』
いくらシャルを救うためでも、あんな奴の血を飲ませたんだと思ったら、急に申し訳なくなった。
だけどシャルは、
シャ「いいよ。…だから、そんな顔しないで?」
と言って、頭を撫でてくれた。
『…うん』
シャ「じゃあ、そろそろ帰ろうか?遅くなるとみんなが心配するから」
『うん。あっ!』
噂をすれば何とやら。
旅団のみんなが、私とシャルを探してやって来た。
『みんな来ちゃった…』
シャ「やっぱり遅かったか…」