Loveless Memory

□血の雨と蜘蛛の証
2ページ/4ページ




『シャル…、シャル…、』

シャ「…ん、ルリア…?」

『うん。これを飲んで?』



シャルに自分が持っている大鎌を差し出す。

私の持つそれに一瞬目を見開いたが、シャルは目をつむったまま、少しだけ口を開けてくれた。

シャルの口の中に大鎌から滴る血が垂れる。



シャ「…っ…」



口の中に広がる血の味に、シャルの表情が歪む。



『シャル、お願い!飲み込んで!』

シャ「…っ(ゴクン)」



シャルが飲み込んだことを確認し、手に持っていた大鎌が消す。

そして、



シャ「…ルリア?」

『シャル!傷はどう?』

シャ「もう大丈夫。痛みもないし…って、傷がない!?」



シャルの傷口は、跡形もなく消え去っていた。















次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ