IF〜もしもの世界〜

□淡花の願いをつかみとれ
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「あなた方の主に合わせてもらえますか?」
その言葉から始まった






「どういう事だ」
「そう言う事だ。青龍、いい加減にしろ」
眉間のしわを深くする同胞に勾陣は嘆息した。
この神将は晴明だけしか目に入らない。ただでさえうざったいのに、晴明か寝込んでからはますますそれが増してきている。

「晴明も会いたいといったのだからいいじゃないか。何かあったら私たちが潰せばいい」

まだ、納得のいかない顔をしている青龍を強制的に黙らせると外に声をかけた。

「入っていいぞ」

すると、音もなく妻戸が開かれると妖が顕現した。

横になっていた晴明やそこにいた神将達は微かに目を見張る。

似ている。

妖の眉がぴくりと微かに動くと、勾陣と謄蛇以外の神将達が殺気立つ。

時に、青龍がひどかった。

感情に仰がれて神気がうねりを上げる。

「おい、勾陣。これはどういうことだ」

訳が分からず眉をひそめると今度は天后が口を開いた。

「なんで、似ているの…」

「天后まで……」

晴明が若干非難するように呟くが、黙殺される。

「あの…冥官になんで似ているの!」

その言葉にはっと晴明と勾陣は息を呑む。

無数の殺気を受けても平然としている妖をまじまじと見つめる。

昌浩に似ているとは思ったが、あの冥官に似ているようには見えなかった。

訝しむふたりに妖は初めて感情らしいものを見せた。

「この姿は人であった時の冥官殿とその周りの方々の思いが創ったもの。
似ていても不思議じゃない」

その言葉に全員が息を呑む。

それを見て苦笑しながら彼は続ける。

「おれの名は“紫苑”。
冥府の官吏殿に仕え、数百年の時を生きた天狐。
我が朋、高於の神と同胞の頼みにより俺はあなたを守る」


―――サイトあとがき
ここまでがブログでUP したものです。
この続き書いてないんだよね…
どうなるか分かりませんがよろしく!!


2012/07/19 15:14 | 青藍編 | 2013/1 修正
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