IF〜もしもの世界〜

□新たなる誓いを刻み込め
2ページ/5ページ

序章・焔(ほむら)

「安倍晴明よ、これを渡そう」
老人の成りをした神将・天空は、青年安倍晴明に向けて片手を出した。
すると、その手に真紅の闘気を纏う炎が現れた。
「これは、新たなる火将・『騰蛇』じゃ。『騰蛇』は理を犯した。そのため、形にならずに生まれた」
「……」
驚愕のあまり絶句する晴明をよそに老人は続けた。
「我らの姿は人が思い描いたものだ。そして、騰蛇の新たな姿はお主が作るのだ」
「それはいつなのか」
「それがいつかは我らでも分からん」
「しかし、これだけははっきりしている。それは……」
――――お主がこの先、出会うものと共に過ごした時がその姿を作り出すであろう……。


そして、時は数十年たち晴明が青年から父となり祖父となって暫らくしてからである。
晴明には二人息子が居り次男である吉昌が家を継いだ。
その後、吉昌とその妻露樹には同じく二人の息子が生まれた。
十数年後、晴明の最後の孫が生まれた
それは昌浩と名付けられ、晴明の後継と呼ばれるようになった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ