IF〜もしもの世界〜
□朧の月を照らし出せ
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2012/07/11
朧の月を照らし出せ ≪予告≫
以前、にじファンで掲載した物です。
意識がだんだんとなくなっていく。
もうすでに四肢の感覚はない。
ただ、貫かれたはずの箇所から熱が抜けていくのがわかるだけ。
神といえども不死ではない。
傷を負えば血が出るし痛みも感じるし、人間と同じく死がある。
違うのは、人よりも丈夫で再生力も高いので、そう滅多に瀕死になることはない。
―――あぁ、自分はここで一人ひっそりと大切な約束も果たせずに死ぬのか。
そう思うと何故か切なくなり頬に涙が伝う。
神でも死後に冥府に行けるのかなぁ。などと思っているうちにも意識は闇に溶けていく。
―――もし、神である自分でも冥府 《めいふ》に行けるなら彼女に会って謝り、そしてまた最後には笑いあいたいな……。
消えゆく意識の中、彼女は最後の力を振り絞り言葉を紡 《つむ》いだ。
『ごめ…んね、 ……』
―――
12/11/1ブログからそのままコピペ