IF〜もしもの世界〜

□不動の願いを突き通せ
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2012/07/19のブログより


子供編 哀れ リクオ


「―――こうして子を喰う恐ろしい"妖怪"は陰陽の美剣士によって退治され、それが鎮社されたのが今の璞神社といわれています!
以上、私たちの班は郷土の伝説をまとめました」

そんな胡散臭い発表が終わった。



リクオの学校が終わる頃なので迎えに来てたが、まだ授業中だったので見学させてもらっているのだ。

(ちなみに、桜璃は小学校に行ってない)

発表したのはリクオの友人の一人清継と言う前世の先輩に何となく名前も性格も似た人だ。

(敏次殿は本当にいい人だったが…)

美剣士ってなんだ。

武士ならまだ説得力あるが、妖怪倒すのになぜ西洋の文化である剣士が出て来るんだ?

「えっ!ちょ…ちょっと待って!!今の話おかしくない?」

そう反論してやろうかと口を開いた時、リクオが清継に待ったをかけた。

(いいぞ言ってやれ。その話は変だと)

「妖怪っていい奴らだよ」

その言葉に桜璃はがっくし、となった。

確かに、リクオが知っている妖怪のほとんどはいい奴ばかりだがそれを徒人である清継に行っても無駄だろう。

現に、変な目で見られている。

幼いなりに似合わず、呆れ交じりの溜息をつき助け舟を出してやることにした。

「妖怪と言うものは、使い古されたものが時を経て命が宿った付喪神や妖怪の総大将と言われしぬらりひょんなどが有名である。それらは人畜無害な妖怪ばかりで悪戯などしかされない。しかし、最も恐ろしいのは人の血を覚えた者達…。目が良く見えない黄昏時や大禍時と呼ばれし夕方はその者の領域に取り込まれやすいので、あまりうろつかない方がいい……」

言い切った。

流石に、息が切れたのでぜーはーしていると清継が恐る恐る訪ねてきた。

「あのーなんでそんなに知っているんですか?それに、あなたは…?」

「リクオの義姉」

清継の疑問を一蹴すると、茫然としているリクオに荷物をまとめるよう言った。
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