ドSの''天然少女攻略本''

□第2話
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「あ、そうだ、凛。江戸は初めてだろィ?俺が案内してやらァ」
『そーくんお仕事はいいの?』
「大丈夫でさァ、土方のヤローが勝手にやってくれやす」

沖田はそう言うと、凛の手を引き屯所を飛び出した。

「あの…副長……沖田さん行っちゃったんですけど、良いんですか?」
「今回は仕方ねェよ。凛と久しぶりに会ったんだから…案内と称したデートくらい行かせてやらァ」

土方は山崎に言った。

―――――…

『そーくんそーくん、あれ何?』

凛が指差したのはターミナル。

「ありゃァターミナルでさァ。天人が出入りしたりする……」
『そーくん、あれは?』
「……凛、俺の話聞いてやす?」

凛の好奇心は江戸の中心部だけでは止まらず、気がつけば歌舞伎町へ。

「なんでよりによって歌舞伎町なんでィ……」
『ねぇ、そーくん。あれはなんのお店なの?』

凛が指差したのは…"万事屋銀ちゃん"

「凛、そこだけは近寄んなよ。天パと馬鹿とチャイナがうつるぜィ」

沖田が凛に忠告したその時、後ろから聞き覚えのある声が。

「おいおい、総一郎くん?天パはないんじゃねぇの?」
「げ…っ…旦那……」

沖田は嫌そうな顔をして、凛を自分の後ろに隠した。

「税金泥棒が真っ昼間からデートたァ…いいご身分じゃねェか。どれ、銀さんに見せてみなさい」
「旦那には絶対見せたくない……」
「大丈夫だって。別に取って喰ったりしねぇか…らよ……」

銀時は総悟の後ろに居た凛を見て、言葉を失った。
ふわりと茶色の髪が揺れ、大きな瞳が銀時を見ていた。

『そーくん、この人誰?』
「……万事屋の旦那でさァ」
『よろずや……?』
「所謂なんでも屋ってやつ」

銀時は凛に近寄った。

「そ、ここの万事屋銀ちゃんってーのが俺の店。あ、俺の名前は坂田銀時。銀時でも銀さんでも銀ちゃんでも好きなように呼んで!」
『私の名前は近藤凛です。あの…銀…ちゃん……?』

おずおずと凛は銀時に自己紹介した。

「へー、近藤凛って言うのか……近藤!?ちょっ、総一郎くん?近藤ってあの……」
「総悟です、旦那。お察しの通り、近藤さんの妹ですぜ」

銀時は口を開けたり閉じたりしている


「妹ォォォォ!?ゴリラどころか天使じゃねぇか!!」
「朝聞いたような台詞ですねィ……」

凛は相変わらず屈託のない笑顔を浮かべている。

「ゴリラの妹とはいえ美少女は美少女。おい凛、俺と一発どうd「旦那、それ以上言ったら殺しやす」…嘘だよォ、沖田くーん…」
『一発?』
「凛は気にしなくていいんでィ」

沖田は凛を銀時から遠ざけるように凛の手を引いて歩いていった。

「凛ちゃーん!!今度は一人で遊びにこいよォ!!」

銀時の叫ぶ声が聞こえた。

―――――…

「銀さーん?アンタさっきから何騒いでるんですか?」

万事屋から新八が出てきた。

「……新八、銀さん天使見ちゃったかも」
「はァ?」

新八は訳がわからないと言う顔をした。
銀時は凛が行った方向をじっと見つめていた。
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